2nd victory memorial page / 2勝目メモリアルページ / フィジコに祝メッセージを / 2勝目オーストラリアGPレビュー / 2勝目までのヒストリー /
堂々のポールトゥウィン!2005年オーストラリアGPレビュー



2005 第1戦 オーストラリアGP
3月4日〜3月6日

アルバートパーク・サーキット

●レース距離:5.303km×58周=307.574km
●2004年リザルト:
・ポールポジション:M.シューマッハ(1'24.408)
・ファステストラップ:M.シューマッハ(1'24.125)
・1位:M.シューマッハ/2位:バリチェッロ/3位:アロンソ
●タイムテーブル(時差+2)

金曜11:00-12:00:フリー走行1
金曜14:00-15:00:フリー走行2

土曜9:00-9:45:フリー走行3
土曜10:15-11:00:フリー走行4
土曜13:00-14:00:予選1

日曜10:00-11:00:予選2
日曜14:00-16:00:決勝
フィジコの自信度:想定85%
「今回は初めて優勝争いができることを願ってメルボルンに行くつもりだよ」

FC会報GigaForte予想
|会報編集部△|プロの高橋○|はいんつ。△|Mr.P -|

_ ここに注目!〜レースの見どころ

2005年シーズンの開幕戦となるオーストラリアGPは、レギュレーションの大幅変更もあり、不確定要素が多く、各チームの戦力がつかみにくい。

しかし、その大幅な変更点の1つである「予選から決勝まで1セットのタイヤで戦う」というレギュレーションが追い風となるドライバーが、何人かいるであろう。その一人がフィジコだ。

今までも度々、タイヤマネジメントのうまさを見せてくれたフィジコだが、昨シーズンはそれを改めて認識させてくれた。BSタイヤが有利な展開になると、フェラーリは別格として、ザウバーより性能に勝るトップチームのマシンを追いかけ回したフィジコの姿は記憶に新しい。

今シーズンを占う意味で、レギュレーション変更が及ぼす勢力分布への影響をこのレースで見定めたい。 (by Mr.P)
_ 勝利の方程式〜レース展開予想図

プレシーズンのテストで好調だったルノー。フェラーリ追撃の最右翼候補にも挙がっている。しかし、実際の戦闘力はやはり開幕してみなければわからない。
テストのタイムだけを見れば、いきなりフロントローも狙えそうだがここはまだ開幕戦。一つ慎重に行きたい。

まずは、タイム合算方式となった予選で確実に3列目までは確保したい。欲を言えば、有利な奇数順グリッド狙いで。仮に5番手グリッドとなっても、スタートでは定評のあるルノーのマシンだけに、一気にジャンプアップを図れるはずだ。さらに燃費の良いマシンは、1回目のピットストップを遅らせることができ、さらに順位を上げることが可能であろう。

そして、レース終盤、タイヤが摩耗してグリップが落ちる頃になると、フィジコの真骨頂が発揮されるはずだ。ここまで大きなアクシデントがなければ、フィジコのタイヤはグリップダウンの度合いが少ないはずだ。また、雨のレースの強さからもわかるように、滑りやすいマシンのコントロールには定評がある。その腕がこの終盤で活きるはずだ! (by Mr.P)

_ フィジコ・プレビューコメント

Q:ジャンカルロ、今年の開幕戦を前にどんな気分ですか?
GF:僕らにとってよさそうな状況だね。R25は強力なパッケージだ。冬の間に相当走りこんできて、セットアップもどんどんよくなっている。マシンに自信があるし、自分たちのパフォーマンスレベルにも満足している。テストでは大体いつも最速チームの中に入っていたから、この状態がそのままレースコンディションで再現できるといいね。

Q:2005年のレギュレーション変更がいくつかありますが、中でも最大の変更点はどれになるでしょうか?
GF:新タイヤのルールが間違いなく最大の変更点だと思う。レースで残り10周、15周の頃になると、タイヤの消耗でリアエンドがすごくルーズになるから、それまでよりずっとドライブしづらくなるだろうし、ミスもしやすくなる。肝心なことは、他のドライバーよりもミスを少なくすることだろうね。

Q:このようなコンディションで、R25のパフォーマンスはどうですか?
GF:タイヤの消耗度に関しては、このマシンならよさそうだよ。バルセロナのテスト中に、スティントの最後に最速ラップを出すこともできたし。R25はあらゆる分野で大きなステップアップを果たしているけど、特にリアエンドの安定性は以前よりはるかによくなったし、ロングランでのバランスもはるかにしっかりしている。つまり、レース距離を通じて一貫したラップタイムを出すことが、以前よりかなりラクになったんだ。

Q:全体的には、メルボルンではどのような期待をしていますか?
GF:アルバートパークサーキットはフェイバリットなコースではないけど、これまでも結果はいつもかなりいい方だし、レースウィークエンドの雰囲気を楽しんでいるよ。今回は初めて、優勝争いができることを願ってメルボルンに行くつもりだよ。


_ チームプレビュー&コメント



_ メモリアルGP 1997年:予選12位、決勝リタイヤ(ジョーダンGPチーム)

1997年、ジョーダンGPより念願のフル参戦を果たしたフィジコ。メルボルンのコースは1996年にミナルディですでに経験済みであった。
このレースで光ったのは、当時スチュワートのバリチェロとのバトルであろう。バリチェロは1996年までジョーダンに在籍。少なからず因縁を感じさせるバトルであった。

フィジコの激しいプッシュに防戦一方のバリチェロ。そのバトルの結末は−−バリチェッロが開けたインにフィジコが飛び込むも、そこはダスティでグリップが低く、フィジコはそのままコースアウトでレースを終えてしまう。

年齢はさほど離れていないこの2人だが、バリチェロは5年目のシーズンを迎え、すでに中堅どころ。対するフィジコはまだF1参戦10戦にも満たなかった。バリチェロの経験勝ちといったところか。

この年、大きな飛躍を遂げたフィジコであったが、開幕戦では、トップドライバーへ駆け上がる途上で洗礼を受ける形となった。(by Mr.P)
_ 現地系TV観戦のススメ

日本と時差が少ないオーストラリア。そのため、日本でのTV観戦も日曜の午後となる。昼下がりに一杯やりながらの観戦は優雅な気分に浸れること請け合いだ。

オーストラリアといえば、ビール大国。成人1人あたりのビール消費量は日本の1.5倍ともいわれている。そのため、ビールにはいろいろあるが、ここは一つ気分を変えて、観戦のお供にオージーワインなどはいかがだろう?

メルボルンの周辺にはヤラ・バレー(Yarra Valley)を始め、数多くのワイナリーがあり、この中には日本でも簡単に入手できるものもある。
オージーはビールも好きだが、ワインももちろん大好き。バーベキューなどのアウトドアでもワインが必需品。小さい樽や紙パックのワインを持ってサーキットに繰り出す人もいる。

オージーワインを片手にフィジコに声援を送れば、もう貴方のお部屋はアルバートパーク、かな?(by Mr.P)

日本で購入しやすい現地系ドリンク

フォスター(FOSTER’S)ビール、ペンフォールズ(Penfolds)ワイン、ヤラ・リッジ(Yarra Ridge)ワインなど。

ペンフォールズは1500円程度で買えるもので十分。ヤラリッジも1000円台から購入可能。

ちなみに、2003年、当FCのオーストラリアGP観戦ツアー当時、サーキットで飲まれていたワインは、ご当地ヤラ・バレーのヤラリッジ(のカベルネ・ソーヴィニョンだったかな?)。ビールはもちろん、ワインだって透明プラスチックグラスになみなみと注いでくれるところが、大らかなオージーモードなのだ。(by pochico)

現地系・お手軽レシピ

オージービーフのランダムサンドイッチ

メルボルンは、様々な国の人々が暮らすコスモポリタンな街。サーキットにも、イタリアン、フレンチ、ギリシャ料理、トルコ料理などなど、様々なエスニック料理がズラリ。

あえて手ごろな現地系といえば、やはりオージービーフ。薄切りのオージービーフをたっぷり、塩コショウでソテーして、お好みの野菜やチーズと一緒に、お好みのパンでランダムにサンドイッチ。お好きなステーキソースやドレッシングをかけてもおいしい!(by pochico)

_ 現地観戦のススメ


_ レース・レビュー

ルノーに移籍して迎えた開幕戦、ルノーは冬季テストの好調をそのままに、予選からマシンの完成度の高さを見せつけた。

予選1回目、フィジコは半乾きの難しい路面をドライタイヤで果敢にアタック。走り終えた直後の雨にも助けられ、この日のトップタイムとなった。
予選2回目は、2位以降とのタイム差に余裕があったにもかかわらず、フィジコは全力で走行し、2日目2位という好タイムでPPを獲得した。

決勝では苦手のスタートを難なく決め、ファステストを更新しながら周回を重ねて、2位以下をじわじわと引き離していった。
フィジコはまるで昨年のMシューマッハーを見ているかのような安定した走りで、トップを一度も譲り渡さず、初のポールトゥウィンで2勝目を挙げた。ウイニングランでは何度もガッツポーズをして喜びをかみしめていた。

レース後、初めてポディウムの中央に立ったフィジコは、少年のように初々しく、胸を張って栄誉を称えられた。(by YW)


_ 金曜フリー走行1

天気は晴れ、気温約20℃、路面温度約32℃。現在の天気予報によると、今回のGPウィークエンドは3日間とも安定した晴天に恵まれそうだ。

新レギュレーションによりエンジンやタイヤを温存する傾向が強く、積極的に走行するマシンがほとんど見られないという状況になっているようだ。走るのは下位チームばかり、上位チームはインストレーションラップのみといった時間が長く続いている。

中でもルノー勢は中盤、ほぼ最後にようやくインストレーションラップに入ったが、2人ともそれ以上走行することなく、ピットに落ち着いている。

終盤になると、徐々に中位チームも走行を開始したが、上位勢の動きはにぶい。タイムシート上では終盤まで、フェラーリ勢と並んで下位で動きのなかったルノー勢だが、両チームともほぼ同時に走行を開始。だが、結局ルノーの2人ともタイムを出すことはなかった。

マクラーレンはモントーヤのみ、フェラーリもバリチェッロのみがアタックを行ったが、上位チームでは唯一ルノーのみが2台そろってアタックせずにセッションを終えている。
Pos. Driver Team Time Laps 
1 V. Liuzzi Red Bull 1:25.967 19 
2 P. de la Rosa McLaren 1:26.480 19 
3 R. Zonta Toyota 1:27.265 20 
4 JP. Montoya McLaren 1:27.425 5 
5 D. Coulthard Red Bull 1:27.573 9 
6 F. Massa Sauber 1:27.971 5 
7 M. Webber Williams 1:28.269 10 
8 J. Trulli Toyota 1:28.366 10 
9 J. Button BAR 1:28.632 10 
10 C. Klien Red Bull 1:28.834 9 
11 N. Heidfeld Williams 1:29.172 9 
12 R. Barrichello Ferrari 1:29.227 5 
13 R. Schumacher Toyota 1:29.285 12 
14 J. Villeneuve Sauber 1:29.332 7 
15 R. Doornbos Jordan 1:29.370 23 
16 T. Sato BAR 1:31.364 9 
17 T. Monteiro Jordan 1:32.348 15 
18 N. Karthikeyan Jordan 1:38.175 6 
19 K. R?ikk?nen McLaren no time 1 
20 M. Schumacher Ferrari no time 3 
21 G. Fisichella Renault no time 2 
22 F. Alonso Renault no time 2 
23 P. Friesacher Minardi no time 0 
24 C. Albers Minardi no time 0 

_ 金曜フリー走行2

気温約21℃、路面温度約25℃、ドライコンディション。

今回は序盤から走行を開始したフィジコ。まず1'31.718で9位につけると、次の周回で早くも全セクターで次々とトップタイムを刻んで、1'28.425でトップにジャンプアップ。続く周回もセクター1でトップタイムを更新して27秒台の1'27.952に更新するが、途端にアロンソが僅差の1'27.940でトップにつけ、あっという間にルノーの1−2状態となった。

ピットに戻った後、順位の入れ替えはあったものの、フィジコはしばらくセクター2と3で最高速をキープ。順位を9位まで落としていたフィジコは中盤、再びコースインした途端に、いきなり1'27.116でトップタイムをマークした。

その後、なかなかタイムアップできなかったフィジコだが、それでも一時はなんと4つのセクター全部で最高速を記録。セッション終了直前のアタックではセクタータイムが揃わず、フィジコは合計23周を走行して惜しくも1'26.667の10位となった。アロンソも終盤はタイムがのびず、21周を走行して1'26.562で7位となったが、セクターの最高速は最終的に、セクター1でフィジコが2位、アロンソが4位、セクター2ではフィジコ−アロンソ、セクター3と4ではアロンソーフィジコの順で上位を独占した。

ルノーは本当に速い。予想されていた以上にポテンシャルを感じさせる初日となった。フィジコも、ルノーでの初GPとなった開幕戦初日からすでに、アロンソと互角の速さを見せつつある。
初日フリー走行ですらタイムシートから一瞬も目が離せないエキサイティングな場面が何度もあっただけに、予選、決勝への期待も高まる一方だ。

初日のフリー走行では、決勝のためのタイヤ選択を中心としたプログラムを行ったらしい。この日のデータを今晩分析して、判断を下すことになるそうだ。

フィジコ:
「今日のところはポジションは重要ではなかった。2種類のタイヤコンパウンドのテストが中心だったからね。一日中うまくいったし、必要なだけ走ることもできた。まだマシンバランスの調整は必要だけど、今週末はすごく楽観的に見ているよ。」

アロンソ:
「メルボルンの初日は決まってすごくスリッピーで、グリップも足りないコンディションだから、いいマシンバランスを引き出すのが難しい。タイヤ選択は現時点でははっきりしていない。タイヤの決定のために、これから今日のデータを分析しなければならない。」

Denis Chevrier, Head of Engine Operations:
「今年のレギュレーションでは、フリー走行のどのラップも貴重なので、テクニカルプログラムで必要な評価とテストを行うために、今日は並行してできる限り多くの作業をこなさなければならなかった。午後のセッションではかなりの情報が得られたし、特にハプニングもなかった。これで、土日に向けたタイヤ選択とエンジン設定を選ぶために、可能な限り多くの情報を得ることができた。」

(photo/RENAULT F1 Team Limited)

Pos. Driver Team Time Laps 
1 P. de la Rosa McLaren 1:25.376 28 
2 K. R?ikk?nen McLaren 1:25.676 15 
3 N. Heidfeld Williams 1:25.940 23 
4 M. Schumacher Ferrari 1:26.081 15 
5 JP. Montoya McLaren 1:26.227 14 
6 F. Massa Sauber 1:26.357 19 
7 F. Alonso Renault 1:26.562 21 
8 J. Button BAR 1:26.611 26 
9 R. Barrichello Ferrari 1:26.639 14 
10 G. Fisichella Renault 1:26.668 23 
11 R. Zonta Toyota 1:26.808 31 
12 D. Coulthard Red Bull 1:27.017 22 
13 R. Schumacher Toyota 1:27.162 16 
14 J. Trulli Toyota 1:27.195 24 
15 M. Webber Williams 1:27.329 19 
16 J. Villeneuve Sauber 1:27.513 18 
17 C. Klien Red Bull 1:27.544 14 
18 T. Sato BAR 1:27.891 20 
19 N. Karthikeyan Jordan 1:28.168 29 
20 R. Doornbos Jordan 1:28.620 30 
21 V. Liuzzi Red Bull 1:28.926 7 
22 T. Monteiro Jordan 1:29.671 23  

_ 土曜フリー走行1
現地の天気予報では曇り。気温、路面温度ともに約13℃。早朝に雨が降ったらしい。現在の湿度83%もやや気になるところだ。
ルノー勢は終盤にコースインし、タイムを出さずにセッションを終えている。
Pos. Driver Team Time Laps 
1 M. Schumacher Ferrari 1:40.540 0 
2 R. Barrichello Ferrari 1:41.933 0 
3 K. R?ikk?nen McLaren 1:43.526 0 
4 N. Karthikeyan Jordan 1:45.641 0 
5 R. Schumacher Toyota 1:45.687 0 
6 T. Sato BAR 1:46.768 0 
7 D. Coulthard Red Bull 1:48.369 0 
8 C. Albers Minardi 1:48.566 0 
9 J. Trulli Toyota 1:49.623 0 
10 J. Button BAR 1:51.364 0 
11 T. Monteiro Jordan 1:53.457 0 
12 P. Friesacher Minardi 1:53.507 0 
13 J. Villeneuve Sauber no time 0 
14 C. Klien Red Bull no time 0 
15 F. Massa Sauber no time 0 
16 JP. Montoya McLaren no time 0 
17 N. Heidfeld Williams no time 0 
18 M. Webber Williams no time 0 
19 F. Alonso Renault no time 0 
20 G. Fisichella Renault no time 0 

_ 土曜フリー走行2

気温約14℃、路面温度約16-18℃。湿度は78−72%と下がってきているようだ。
この日のセッション前に激しい雨が降り、最初のセッションでは、路面がかなりのウェットからドライへと変わるコンディションだったらしい。

フィジコは序盤から走行を開始し、まず1'39.903で6位のタイム、続いて1.38.223で4位のタイムをマークし、立て続けに全セクターでベストタイムを並べて1'35.881と、その時点で2位以下を2秒近く引き離してトップにジャンプアップ。フィジコにとって得意なハーフウェットでの走りではあるが、すぐ後にアロンソも前半のセクタータイムを塗り替えて36秒台で2位につけた。コンディションが徐々に改善されてきた中盤にライコネンが僅差でトップに立つまで、このままルノーの1−2状態が続いた。

コースコンディションが改善されつつある中、徐々に順位を落としていたルノー勢だが、セッション終盤に再びコースインし、2人は互いにセクタータイムを塗り替えながら好走。またもフィジコがいきなり唯一の1'33.304でトップにジャンプアップし、すぐに1'30.240に更新。続いてアロンソが1'29.345でトップに立ち、再びルノーの1−2状態へ。

さらに、セッション終了直前、またもフィジコが1'28.571でトップに立って走行を終えたが、後から走行するマシンが次々とタイムを塗り替える状態の中、このままのタイムで4位となっている。アロンソはさらに走行を重ね、1'27.409で2位となっている。

走るたびに2台そろってトップタイム、全セクター最高速でもほぼルノー1−2という抜群の状態で、ルノーチームはいよいよ、まもなく今シーズン初の予選を迎える。
Pos. Driver Team Time Laps 
1 K. R?ikk?nen McLaren 1:27.297 0 
2 F. Alonso Renault 1:27.409 0 
3 JP. Montoya McLaren 1:28.256 0 
4 G. Fisichella Renault 1:28.571 0 
5 J. Button BAR 1:29.577 0 
6 M. Webber Williams 1:30.299 0 
7 M. Schumacher Ferrari 1:30.533 0 
8 T. Sato BAR 1:30.554 0 
9 D. Coulthard Red Bull 1:30.645 0 
10 R. Barrichello Ferrari 1:30.715 0 
11 N. Heidfeld Williams 1:31.375 0 
12 C. Klien Red Bull 1:31.671 0 
13 J. Trulli Toyota 1:31.701 0 
14 F. Massa Sauber 1:31.736 0 
15 J. Villeneuve Sauber 1:34.031 0 
16 R. Schumacher Toyota 1:34.924 0 
17 C. Albers Minardi 1:35.975 0 
18 P. Friesacher Minardi 1:40.045 0 
19 T. Monteiro Jordan 1:40.802 0 
20 N. Karthikeyan Jordan 1:40.822 0

_ 予選1

天気は晴れ。軽く水煙が上がる程度のウェットから、急速にドライへと変化するコンディションで迎えた予選。最終戦のリバースポジション順で、フィジコは12番スタートとなった。

タイヤ面では、エクストリームウェットではBS有利、ちょい濡れならミシュラン有利といわれる状況だ。ミシュラン勢は先頭のバトンから早くもスタンダードウェットを使用。ちょうど真ん中のヴィルヌーブからドライタイヤを使用したが、インラップのセクター1でスピン。

ヴィルヌーヴがドライタイヤを使用したのを見て、同じくドライにスイッチしてコースインしたフィジコ。途中、前走のジャックがスロー走行している場面にでくわしたが、大きなロスなくクリア。水たまりの地点もうまくこなし、解説者からも思わず「うまい!」と賞賛の声がもれる中、力むことなくミスもなくスムーズなラインをくりだし、2位のトゥルーリを2秒上回る33秒台でフィニッシュ。

そのフィニッシュ直後に、なんと豪雨が襲来! まさにフィジコにとって恵みの雨となった。
実はフィジコがコントロールラインを横切ったときにすでに雨は降り出していたらしいが、そのままドライタイヤにかけたらしい。ギリギリのところで最善のタイヤを選択し、自ら得意なハーフウェットコンディションで理想的な走りを完璧にメイクしたフィジコの暫定ポールポジションは、この時点で確定的となった。

フィジコの後にスタンダードウェットで入ったM.シューマッハとのタイム差が、なんと24秒という事態となり、続いて佐藤がコースアウト、セッションは赤旗中断に。
雨も風も強くなる一方で残り5人のセッションがスタートしたが、豪雨の中、エクストリームウェットではどうにもならず、タイム差が開く一方の状況となった。暫定ポールが決定的となると、満面の笑顔でスタッフと軽く抱き合って喜びをあらわにしたフィジコ。終始落ち着いた面持ちで、最後のドライバーが走行を終えるのを見届けたフィジコは、軽くはにかみながらブリアトーレと握手をかわし、ピット奥へと消えた。

上昇気流に乗って迎えた開幕戦。初日から好調だったフィジコを恵みの雨がさらに後押しし、いきなり暫定ポールポジションで日曜を迎えることになったフィジコ。日曜予選でポールが確定すれば、なんと1998年、実にルノーの前身であるベネトンチームに移籍したその年のオーストリアGP以来、2度目のポールポジション獲得となる。

今年からの合算形式の予選システムでは、順位よりタイム差が重視されるだけに、限りないアドバンテージが得られたはずだ。日曜の予選では、フレキシブルな作戦で、このアドバンテージを十分に活かしてもらいたいところだ。

(photo/RENAULT F1 Team Limited)



ルノーチームサイトでは、「予測不可能な天候がもたらした」この日の劇的な予選展開について、「フィジコはセッション中のベストコンディションを最大限に活かして暫定ポールを獲得した」と記された。
フィジコ、ルノーでの初戦となる今シーズン開幕戦、堂々の暫定ポール獲得である。

フィジコ:
「難しいコンディションですごくいいラップができた。路面はまだ何か所も湿っていたので、正確に限界ギリギリまで、限界を超えないようにプッシュしなければならなかった。ドライタイヤで湿った路面を走るときは十分なグリップを得るのが難しくなることが多いけど、あの僕のラップにとっては、マシンバランスがとてもよかった。明日を楽しみにしているよ。いつもとは一味違った今日のオーダーで、2回目の予選もレースもすごく面白くなるはずだよ。」

アロンソ:
「あのコンディションはほとんどありえない。フルウェットタイヤでさえ、ストレートでアクアプレーニングが起こる始末だし、予選ラップを終えるまで雨が降り続いていた。クリーンラップにしようとベストを尽くしたけど、グリッド後半からのスタートになりそうだね。難しいレースになるだろう。」

エンジニアリング・エグゼクティブ・ディレクター パット・シモンズ:
「グッドラックとバッドラックが同時に出た、間違いない。ジャンカルロがコースに出たときはセッション中のベストコンディションだったが、フェルナンドはおそらく間違いなく最悪のコンディションになってしまった。それでも2人ともそれぞれのコンディションにうまく対応し、強力なパフォーマンスを発揮してくれた。
これから2回目の予選とレースのことを考えるが、我々としては、日曜早朝までは雨が断続的に降り続けると予想している。つまり、2回目の予選でも路面がまだ湿っている可能性があるということだ。それでもセッション中に雨が降る可能性は低いと思う。だが確かに、1回目の予選後の異常に大きいギャップのおかげで、戦略的にも面白い選択がいくつかできると言える。」

エンジン・オペレーションズ・ヘッド Denis Chevrier:
「1回目の予選で期待していたことがあるとすれば、自分たちとライバルの相対的パフォーマンスが初めて明らかになることだったが、天候のせいでこの情報は得られなかった。また、予選セッションの半分を終えただけたと強調することも重要だ。テクニカルな視点ではトラブルフリーな1日で、1日中、フルドライからフルウェットへと大幅に変化した路面コンディションのおかげで、明日遭遇する可能性のあるほぼあらゆる事態についての情報を収集することができた。」
Pos. Driver Team Time 
1 G. Fisichella Renault 1:33.171 
2 J. Trulli Toyota 1:35.270 
3 M. Webber Williams 1:36.717 
4 J. Villeneuve Sauber 1:36.984 
5 C. Klien Red Bull 1:37.486 
6 D. Coulthard Red Bull 1:38.320 
7 N. Heidfeld Williams 1:39.717 
8 J. Button BAR 1:41.512 
9 N. Karthikeyan Jordan 1:44.357 
10 K. R?ikk?nen McLaren 1:44.997 
11 JP. Montoya McLaren 1:45.325 
12 R. Barrichello Ferrari 1:45.481 
13 T. Monteiro Jordan 1:46.846 
14 F. Alonso Renault 1:47.709 
15 C. Albers Minardi 1:47.708 
16 P. Friesacher Minardi 1:50.864 
17 R. Schumacher Toyota 1:51.495 
18 M. Schumacher Ferrari 1:57.931 
19 F. Massa Sauber no time 
20 T. Sato BAR no time

_ 土曜予選後プレスカンファレンス

7年ぶりの土曜プレカン中央席に座ったフィジコ。暫定ポールとはいえ、7年前のはしゃぎっぷりとは大きく変わって落ち着いた面持ちだったが、終始こぼれてくる笑みをおさえきれないといった様子だった。

「すごくハッピー、そしてラッキーでもあった」というフィジコ。アタック後の雨では軽くコースオフしてしまったというが、無事に戻れたという。「自分にとって過去最高のスタートで、優勝を狙える」と、その自信を語った。マシンバランスもいい感じに決まっていると語り、まさに文句の付けようのない予選1回目となったようだ。

日曜の予選については、今回の予選で大きなギャップが得られたので、失うものはないとして、「コンサバティブな戦い方」をすると公言。ただし、「スローで行くわけじゃないけど」と笑みをこぼした。

金曜のフリー走行は満タンで走っていたので、ポジションにかかわらず自信があったというフィジコ。もし今日のような天候に左右される予選ではなく、通常の予選だったとしても、暫定ポールを獲得するだけの速さがマシンにはあると語った。

また、各国記者からの質疑応答の場面では、ドイツ人?記者の質問を聞き間違えて明るく答える一幕も。全コメントは以下の通り。



(以下、TV放映シーン)

Q:ジャンカルロ、この冬の間、ルノーについては多くのことが語られてきましたね。いかにうまくいっているかということで、昨日もそうでしたが、それでも今日のセッションを決定付けたこのコンディションは誰も予想していなかったでしょうね。

GF:まずなにより、自分の予選セッションには本当にハッピーだよ。イエス、確かにラッキーだったね、だって自分がコースインしたのが最高の瞬間で、フライングラップを終えた途端に雨が降り出したんだ。それに、ライバルたちの前で大きいギャップが得られたのもすごくよかった。マシンはいい感じで、バランスもいい感じだし、気持ちよく乗れている。今回は自分の人生の中でも最高のスタートだよ。すごくいいマシンだから、優勝を目指して戦うよ。

Q:あのラップの終盤にかけて雨が降り出したと言いましたが、何か影響はありましたか? ペースを少しゆるめなければならなかったとか?

GF:フライングラップの直後に雨が降っていたので、ターン1の後ですごくヘビーになり、インラップの途中で戻れないかと思ったよ。ちょっとグリーン上にはみ出してしまったくらい。でも、スローダウンしていたので大丈夫だったよ。

Q:最終セクターでは、ヤルノと比較してかなりのタイムを稼いでいたようですね。あの区間はサーキットの他の区間よりもドライだったのですか?

GF:そんなことはないよ、どこもスリッピーだったけど、あのラップではドライタイヤの方がどんどん有利になっていったし、最終セクターでは温度も上がってきていた。それに、ウェットタイヤを使っていた他のドライバーにとっては、ラップの終盤は多分オーバーヒート気味になって、パフォーマンスが落ちていたんじゃないかな。

(他の2人に対する質疑応答の後、暫定ポールのフィジコに戻る)

Q:もちろん明日はポールになることを願っているでしょうね、手の届くところにありますし。明日のセッションにはどのような考えで臨みますか?、燃料のことはもちろん、あなたの場合はユーズドタイヤで走らなければならないですね?

GF:イエス、燃料搭載量はちょっと調整することになると思うよ。そうするだけのギャップは十分にあるからね。明日のフライングラップではコンサバティブに行った方がいいと思う。失うものは何もないから、その方がポールポジションになるにはいいと思うよ。

Q:でも、コンサバティブなラップを走るというのは必ずしも簡単ではないですよね。

GF:そのとおり。コンサバティブでも、スローには行かないようにするよ(笑)

(以下、プレスカンファレンス)

Q:ジャンカルロ、まず、ドライタイヤでのアタックだったことを確認したいのですが?

GF:あの瞬間に判断を下すことは簡単ではなかった。サーキットは急速にどんどんドライになってきていたから、アウトラップでは本当にナーバスだったよ。すごくスリッピーだったし、かなり湿っている場所もあったから、ラクには行けなかった。でも、マシンバランスもグリップも十分よかったから、湿った場所を別にすればちょっとはプッシュできた。クリーンラップができたので、それについては満足している。本当によかったよ、ライバルたちと比べて相当なギャップが得られたし、明日のためにもいいことだ。燃料搭載量を少し調整できるから、明日の2回目の予選ではちょっとコンサバティブに行けるよ。

Q:これまでのドライコンディションでの走りはどうでしたか?

GF:うーん、昨日はドライコンディションであまり走っていないんだ。20周ちょっとだけ走ったところで、マシンバランスがすごくよくなっていた。ファンタスティックとは言えなかったけど、一晩でいい作業ができて、今朝はよくなっていた。昨日は1日中満タンで走っていたんだ。トップ8に入れなくても、昨日は自信があったよ。だからこうしてポールになれて今はハッピーだよ。明日もこのままで行けるといいね。

(フロアからの質問)

Q:(Fritz-Dieter Rencken - The Citizen) ジャンカルロ、以前なら、今あなたが座っているところに座ったとしたら、明日はポールポジションからのスタートになると思いながらベッドに入ることができましたね。現在のシステムではまだわからない状況だと思うことになりますが、今の気分はどうですか?

GF:ファンタスティックだよ(ここでFIAによる注「質問を理解していなかった」)。ここでポールになれたし、頑張ってやっている。ポールポジションからのスタートを実現するために頑張っているんだ。僕にとって素晴らしい1日になったよ。ポールになっただけでなく、マシンパッケージがすごくうまくいっているのが嬉しいんだ。以前に比べてもいいシステムになると思うよ。

Q:Dieterが聞いたことは、普通に、以前では現時点でポールポジションになると確信できたのに対して、現在はもう1回セッションがあるので、まだポールになるとはわからないということなんですが。

Q:ああ、そうか。さっき話した通り、2位のヤルノと比べてすでに大きなギャップがある。これは僕にとってすごくいいことだ。さっきも言ったけど、明日はコンサバティブに行くことになるかもしれない。その方がいいからね。でも、失うものは何もないよ。(FC注:結局、理解したどうか曖昧なまま、この質問は終了)

Q:(Dom Taylor ・F1 Racing) ジャンカルロ、とても奇想天外な予選1回目となり、明らかにあなたはその利を得ましたね。マシンの速さは、普通の予選セッションだったとしても今日この席に座れるくらいに、十分だと思いますか?

GF:イエス、そう思う。今朝は僕らのペースを示すことができたと思う。今のところ、マクラーレンと並んで僕らが最速だと思う。この速さはテストでも示すことができた。僕らはどこにいっても最速チームの1つだった、特に最後のバルセロナのテストでね。僕らのペースはもう本当にすごくいいんだ、1ラップ限定じゃなくて、特にレース距離を通じていいんだよ。


_ 予選2

後続に2秒の差をつけて迎えた日曜予選。前日の暫定ポール決定で「コンサバティブ走行」宣言をしていたフィジコ。結局、言うほどもなく、普段通りのメリハリのきいたアタックながら、危なげなく1ラップをまとめあげ、2位のタイムをマーク。総合では余裕でトップに立ち、1998年、実にルノーの前身であるベネトンチームに移籍したその年のオーストリアGP以来、2度目のポールポジション獲得となった。
Pos. Driver Team Time 
1 G. Fisichella Renault 3:01.460 
2 J. Trulli Toyota 3:04.429 
3 M. Webber Williams 3:04.996 
4 J. Villeneuve Sauber 3:06.846 
5 D. Coulthard Red Bull 3:07.212 
6 C. Klien Red Bull 3:07.477 
7 N. Heidfeld Williams 3:09.130 
8 J. Button BAR 3:12.128 
9 JP. Montoya McLaren 3:14.645 
10 K. R?ikk?nen McLaren 3:15.585 
11 R. Barrichello Ferrari 3:16.822 
12 N. Karthikeyan Jordan 3:17.092 
13 F. Alonso Renault 3:17.466 
14 T. Monteiro Jordan 3:20.329 
15 R. Schumacher Toyota 3:22.717 
16 P. Friesacher Minardi 3:28.363 
17 C. Albers Minardi 1:49.230 
18 M. Schumacher Ferrari 1:57.931 
19 T. Sato BAR no time 
20 F. Massa Sauber no time 

_ 日曜予選後プレスカンファレンス

(以下、TV放映シーン)
Q:ジャンカルロ、ちょっと前にオーストリアでポールになったときのチームは、今あなたがドライブしているチームと違わないですよね?

GF:イエス、確かにそうだよ。ベネトンで、1998年だったかな。今はルノーに変わって、こんな素晴らしいチームのドライバーになれて本当にハッピーだよ。今日もまた僕にとって最高の一日になった。今も全ドライバーの中でファステストタイムだし(注:実際は2位のタイム)、それが重要なんだ、今日のレース戦略もバッチリだと思うから、期待しているよ。とにかく心配なのは1コーナーだけ。でも僕がリーダーだから、うまく行ってくれるといいな。

Q:変わりやすい天候状態のようですね。今日みたいなコースコンディションはどうでしたか?

GF:正直言って、路面はちょっと不完全だったけど、終盤は序盤よりは速くなった。燃料搭載量を考えれば悪くなかったよ、マシンバランスもよかったし、気持ちよく乗れていた。

(プレスカンファレンス)

Q:ジャンカルロ、あなたと2位のヤルノとのギャップが開きましたが、どうですか? 予想通りですか?

GF:うん、大体は予想通りだね。まず、今回の予選もうまくいった。今日だってコース上で最速だったんだ(注:実際は2位)、本当にポジティブなことだよ。つまり、燃料のことを考えれば、僕らがいい状態だってことだね。今日は本当に楽観的な気分だよ、とにかくマシンバランスがよかったんだから。予選セッション中もマシンのパフォーマンスが一貫していて、気持ちよく自信を持って乗れた。多分、そうだな、最初の3、4つのコーナーはちょっとだけコンサバティブすぎたけど、それでいいラップができたんだから、すごくよかったよ。今日は本当にチャンスがあるから、期待しているよ。1コーナーをトップで抜けて、その後は自分のレースを走って、1位で終えられたらいいな。

(フロアからの質問)

Q:(Joe Saward ? GrandPrix.com) ジャンカルロ、あのセッションでご自分が最速だったと思いこんでいるようですが、あなたじゃなくて、マーク・ウェバーがあなたよりほんの少しだけ速かったんですよ。ドライバーたちがセッションの順位を知らないセッションなんて、ちょっとおかしいと思いませんか?

GF:そんなに簡単なことじゃないよ。アウトラップ中にエンジニアからヤルノとマークのタイムを聞いたんだ。30.8秒台を出せばトップだって言われたんだけど、そんなときでもやっぱり予選ラップでは力を入れた走りをしなくちゃいけないなぁ。十分なマージンがあったんだけど、どちらにしてもプッシュしてはいたよ。


_ 決勝

「今日のオーストラリアGPで、1人のドライバーが表彰台の最上段に、もう1人は3位の段に上がり、そして、マイルドセブン・ルノーF1チームの最高に前途有望なパフォーマンスがそこにあった。」という言葉で、ルノーチームのリリースは始まった。

あの流れで予選を決めた、普通にいいマシンに乗った普通のドライバーであれば、かなりの確率でポールトゥウィンが予想されるはずだ。だが、そうはいかないのがF1、中でも最も不安定要素の多い開幕戦だ。開幕前から確かに、新レギュレーションに最もマッチするであろうドライバーの1人に数えられていたフィジコだが、これほどまで絵に描いたようにマッチするとは、誰が予想できただろうか。これまで何度も劇的なレースを見せてきたフィジコだが、これほどまでに印象に強烈に残るレースはこの先もう−−いや、これからまだ何戦も何戦も、見られる日が本当に来るのかもしれない。その日が今日、本当に来たのかもしれない。

先頭を切って静かにフォーメーションラップに流れ出していくフィジコ。やり直しを経ていよいよ迎えた2度目のスタートで、一瞬わずかなブレを見せた後、ふっと目覚めたかのように、フィジコは長いレースへとなめらかに流れ出していった。長かった、様々なプレッシャーの時間から解き放たれたスピードで、水を得た魚のように、生き生きと弾むように、自分だけの美しいラインを駆け抜けていく。2位以下との1.4秒という差以上に、近寄りがたい、触れがたい見えない壁が次々と築かれていく。これが長い間封印されていたフィジコ本来の走りだ−−それもまだ走り始めたばかりの。CS放送では早くも「ジャンカルロ・フィジケラ」の名が連呼されていた。

毎周ファステストラップを刻み続けたフィジコは、ゆっくりと後続を引き離し始め、14周目で早くも周回遅れに遭遇。デビュードライバーらが心配になる場面もあったが、落ち着いて処理をこなしていった。

一方、チームメートのアロンソも抜群のスタートを決めるが、途中ヴィルヌーヴにかなりの周回に渡ってブロックされ、激しいバトルを展開。エアロパーツを吹き飛ばしながらもプッシュし続け、ついにヴィルヌーヴをかわした後は、本来の速さでぐんぐんと上位に進出した。

各車がぞくぞくと最初のピットインに入る中、フィジコも23(25?)周目にピットイン。スムーズな作業を終えて2位でコースに復帰し、間もなく1位に戻った。持ち前のなめらかな走りで、後続とのギャップもコンスタントに10秒以上をキープし、トラフィックに悩まされることもなく、快調に走り続けていたフィジコ。心配されたタイヤの消耗も、マシンの信頼性の不安も皆無に見えていたが、40周目、エンジン不調を思わせる兆候が見られる場面もあったらしい。

42周目、2回目のピットインを無事に済ませた後、3位で復帰したフィジコは間もなくトップに戻り、何事もなかったかのように順調に走行を重ねた。ラスト7周で2位以下に11秒の差。周回遅れのヴィルヌーヴに手を大きく振って抗議する場面もあり、このときは2周に渡ってブロックされ続け、4、5秒のタイムロスがあったらしい。だが、ヴィルヌーブをかわした後は、残り6周、5周、4周と、2位のバリチェッロに徐々に差を詰められながらも、安定した走行を続けた。

その2位のバリチェッロを追い回していたのが、13番スタートのアロンソ。タイヤに苦しい終盤を迎えて、まさにミシュランタイヤのアドバンテージが活きたように、グングンとバリチェッロを追い詰める走りが、多少なりともフィジコへの援護射撃になったはずだ。

静かに走り続けて迎えたファイナルラップ。2年前、雨のブラジルで自らを初優勝に導いたジョーダンのマシンが目の前に現れたとき、一体フィジコはどんな気持ちになったのだろうか。やがて道を譲られたフィジコは、ゆっくりと、広く開けた誰もいない道を進んだ。

1996年の春、メルボルンのスタート−フィニッシュラインから希望に満ちて走り始めたフィジコは、9年後の2005年の春、まったく同じこのスタート−フィニッシュラインを今、誰よりも速く駆け抜ける−−9年前に夢見ていたその日は、その夢は今日、確かに始まった。

ルノーでの初戦でその手にいきなりこぼれ落ちてきたチャンスを、最高の形でモノにしたフィジコ。フィジコの堂々の初ポールトゥウィンに加えて、13位から3位入賞でファステストラップをマークしたアロンソ。今年のルノーはまさに台風の目になるはずだ。

フィジコ:
「こんなにファンタスティックなウィークエンドになって、ルノーでの最高のデビューになったよ! R25のパフォーマンスはレース中ずっとよかったし、安定していてドライブしやすかった。おかげで、後続のマシンとのギャップをコントロールできたし、タイヤをいたわりながら走ることができて、トラブルもまったくなかった。このレースで、このチームの今シーズンのものすごいポテンシャルが証明されたと思うよ。チームがマシンの開発をハードにプッシュしていけば、今日のスタートをもとに、この強さをシーズン終盤まで積み重ねていけるはずだ。もう次のマレーシアに向けてすごく楽観的な気持ちでいるよ。」

アロンソ:
「今日は表彰台でフィニッシュできるなんて思いもしなかったけど、こうして上がれていい気分だよ! レース中はラッキーだったよ、終盤の各スティントではトラフィックにもひっかかることなく走ることもできたから、マジにハードにプッシュしてポジションを上げることができた。R25みたいなマシンに乗れて嬉しいよ。今日のように、ストレートスピードも十分だし、コーナーでライバルたちをオーバーテイクするだけの速さも十分。ミシュランにも感謝したい。レース中、57周のどのラップもアタックしなければならなかったのに、タイヤのパフォーマンスはまったく落ちなかったんだ。唯一、この週末で変えたいと思うのは、昨日の午後みたいな天気だね!」

マネージングディレクター フラビオ・ブリアトーレ:
「チーム全体にとっても、ルノーグループにとっても素晴らしい結果だった。今年はいいマシンを作ることができたし、今日はフィジコもフェルナンドもマシンを最大限に活かす術を熟知していた。2人とも素晴らしいレースを見せてくれたよ。だが、シーズンというものは1戦ずつとらえていかなければならない。まだ我々にはさらに向上の余地があると思う。」

エンジニアリング・エグゼクティブ・ディレクター パット・シモンズ:
「この午後の結果は、ここサーキットでの、そしてイギリスとフランスのベースでのチーム全体の努力の賜物だ。フィジコはこのチームへの復帰を優勝という最高の形で決めてくれたし、フェルナンドにしても、正直いってポイントを取るのも大変だろうと思っていたんだ。表彰台に上ってみせるとは驚きだよ。レース前に、今年の新ルールによってドライバーの技術が明らかにされるだろうと言ったが、2人とも、求められているものをこれほど早く、深く理解していることがはっきりわかって、嬉しかった。ミシュランにも感謝しなければならない。今日のレースにこれ以上のタイヤを求めることはできなかっただろう。」
P. No  Driver       Team - Engine   Tyres   Gaps/Laps     Average  Stops
 1.  6  FISICHELLA   Renault           M   1h24'17"736  215.151 Km/h  
 2.  2  BARRICHELLO  Ferrari           B   +  0'05"553  214.915 Km/h  
 3.  5  ALONSO       Renault           M   +  0'06"712  214.866 Km/h  
 4. 14  COULTHARD    RedBull Cosworth  M   +  0'16"131  214.467 Km/h  
 5.  7  WEBBER       Williams BMW      M   +  0'16"908  214.434 Km/h  
 6. 10  MONTOYA      McLaren Mercedes  M   +  0'35"033  213.671 Km/h  
 7. 15  KLIEN        RedBull Cosworth  M   +  0'38"997  213.505 Km/h  
 8.  9  RAIKKONEN    McLaren Mercedes  M   +  0'39"633  213.478 Km/h  
 9. 16  TRULLI       Toyota            M   +  1'03"106  212.499 Km/h  
10. 12  MASSA        Sauber Petronas   M   +  1'04"393  212.446 Km/h  
11.  3  BUTTON       BAR Honda         M      1 lap(s)                
12. 17  R.SCHUMACHER Toyota            M      1 lap(s)                
13. 11  VILLENEUVE   Sauber Petronas   M      1 lap(s)                
14.  4  SATO         BAR Honda         M      2 lap(s)                
15. 19  KARTHIKEYAN  Jordan Toyota     B      2 lap(s)                
16. 18  MONTEIRO     Jordan Toyota     B      2 lap(s)                
17. 20  FRIESACHER   Minardi Cosworth  B      4 lap(s)                
18.  1  M.SCHUMACHER Ferrari           B     15 lap(s)                
19.  8  HEIDFELD     Williams BMW      M     15 lap(s)                
20. 21  ALBERS       Minardi Cosworth  B     41 lap(s) 

_ ウィニングラン&表彰台

1996年の春、メルボルンのスタート−フィニッシュラインから、希望に満ちて走り始めたフィジコは、9年後の2005年の春、まったく同じこのスタート−フィニッシュラインを今、誰よりも速く駆け抜ける−−9年前に夢見ていたその日は、その夢は今日、確かに始まった。

フェンスによじ登り、身を乗り出して迎えてくれたクルーに、大きく手を上げて応え、向き直ってスタンドの大歓声にも手を振り、何度もガッツポーズを繰り返し続けた。「ブラボー!フィジコ、ブラボー!」無線のブリアトーレの叫び声に、抑えていた喜びをひとしきり爆発させた後、一瞬の静寂を置いて、フィジコは感極まった声で丁寧に、無線を通じてチーム全員に語りかけた。
「本当に本当によかった。本当に嬉しい。ありがとう...ありがとう、みんな!」

何度もガッツポーズを繰り返し、思わず投げキッスを連発。そして、優勝という現実をかみしめるかのように、それまでガッツポーズを繰り出していたその右手のこぶしを小さく震わせた。走りながら、大きなガッツポーズを何度も、何度でも。生まれて初めてのF1でのウィニングランを、チームメートのアロンソがつかず離れず祝福しながら、2台はゆっくりとパルクフェルメに戻ってきた。

喜びの爆発をどうにも抑えきれないフィジコは、マシンを降りるまでガマンできずにまるで子供のように、まだ動いているマシンのステアリングを外してシートに立ち上がり、両手を真上に伸ばして大きくガッツポーズ。クルーに押されて揺れるマシンの中でなおも立上ったまま、何度も体勢をくずしそうになりながら、何度も何度も力強いガッツポーズを飽きることなく繰り返した。

マシンを降りてアロンソと大きく両手を上げて握り合い、そのまま飛びついてガッチリと抱き合う。やがて、パット・シモンズもその輪に加わった。フィジコはふらつきながらグローブを外すと、表彰台へと急かされながらも、サーキット中の大歓声に向かって、アロンソと2人で改めてガッツポーズを決めた。

建物の奥に入りかけ、メットを外したフィジコはなおも振り返ってスタンドに大きく両手を掲げた。改めてシモンズの祝福を受けたフィジコは、ふとカメラに気付くと、しっかりと心を込めるように、その向こうで自らを見守る無数のF1ファンに向かって投げキッスを贈った。
去年の日本GP、日本公式ファンクラブ・ミーティングで「表彰台からみんなに投げキッスを贈る」という約束を誓って、笑顔で指切りげんまんのパフォーマンスをしてくれたフィジコ。2戦遅れで果たされた約束にも感動だ。あのキッスは、みんなにもダイレクトに贈られたに違いない。

何度も祝福の足止めをされながら、表彰台への階段を上ったフィジコは、なおも追ってきたカメラに向かって、ドリンクを飲みながらthumb upをしてみせた。表彰台まではもうすぐ。2位のバリチェッロに頭をなでられて祝福を受け、待ち受けていたアロンソと再度きつく抱き合い、やがて3人は表彰台のステージに、サーキット中の大歓声の中に出て行った。

姿を現したフィジコは何度もガッツポーズを繰り返し、大きな雄たけびをあげた。表彰台に勢いよく飛び乗ると、いきなり後ろを向いて両手で背中を何度もアピール。スポンサーやあらゆる関係者への感謝の気持ちの表れであると共に、大好きなASローマのトッティが価値あるゴールを決めて自らの背番号10番をアピールするしぐさと瓜二つの、実にフィジコらしい真心のこもったユニークなパフォーマンスだった。

振り向いたフィジコは本当に嬉しそうに白い歯をこぼし、大きな笑顔でガッツポーズを繰り返しているうちに、待ちに待った表彰台でのイタリア国歌がスタート。満面のフィジコスマイルや、国歌が始まって慌ててキャップを外す茶目っ気あふれる様子は、初表彰台の1997年カナダGPの頃から本当に変わらない初々しさを思わせる。あの頃は本当に、あっという間に乗れると思っていたこの一番高い場所に、今日やった乗れたのだ。

そして、何度も夢見た、フェラーリではなく、フィジコのためのイタリア国歌−−音楽に合わせて身体でリズムを取ったり、ガッツポーズを抑え切れなかったり、バリチェッロにちょっかいを出されたり、アロンソに絡んだりと、初めての自分のためのイタリア国歌をフィジコは十分に楽しんだようだ。国歌の終わりに自分の心臓部をドンドンと叩くそのしぐさは、自分のための国歌なんだと自分に言い聞かせるかのよう。そして、サーキット中のあらゆる人々に、全世界の人々に向かって、これは自分のための国歌なんだとアピールするかのように、挑戦的な表情に変わって、両手で激しく何度もガッツポーズを繰り返した。

チームのためのフランス国歌を聞きながら、やや落ち着きを取り戻したフィジコは、最後に大きく、自分のために掲げられたイタリア国旗を見上げ、自分のために大きくガッツポーズをした。
トロフィーを受け取るとすぐに大きく掲げて、思わず両目をつぶって喜びの声を上げたフィジコ。トロフィーにキスし、本当に嬉しそうに何度も何度もトロフィーを見直しているうちに、あっという間にシャンパンファイトの時間だ。

アロンソに先手を取られて怒濤のシャンパンシャワーを浴びながら、なかなか表彰台から降りられず、ようやく落ち着いて勝利の美酒を味わったフィジコ。自分が主役の表彰台で、一連の表彰台の手順を一通りこなすことが本当に嬉しいのだろう。恒例の3ショットポーズも、慌てて表彰台の下で2人に催促してしまい、表彰台に持ち上げられそうになる始末。そして、改めて表彰台の最上段で決めた3ショットポーズ。いつも左右どちらかで勝者を讃え続けてきたフィジコはついに2人を従え、自信に満ちた勝利者の笑顔を満面に見せてくれた−−今年は自分の年になる。今年からは自分の時代になる。

最後にステージの端にひざまずいて、チームクルーにシャンパンを大切そうに渡したフィジコは、そのまま歓声に応えながらステージから去りそうになったところで、トロフィーを忘れてきたことに気付いて取りに戻る一幕も。さらに大きな歓声を浴びつつ少々慌てながら、フィジコは夢のようなひとときを過ごしたステージから姿を消した。


_ 決勝後プレスカンファレンス

土曜、日曜午前とまったく同じ席に座ったフィジコだったが、この日ばかりは笑みを抑えることなく、何度も白い歯をこぼしながら満面の笑顔を見せていた。質疑応答が始まり、また少々質問の意図を外し気味に(^^;)いつもどおりの調子で答え始めたフィジコ。喜びを爆発させた後でやや枯れた声ながら冷静に言葉を並べていたが、「the best start of my career」という言葉をきっかけに、だんだんと表情が曇り始め、声が途切れ途切れになり始めた。

自分のキャリア−−しゃべる言葉とは裏腹に、胸のうちでは、ずっとずっと押さえ込んできた様々な思いが次々とあふれ出していたのかもしれない。言葉にならない思い、言葉にできない思い、言葉にできなかった思い。そして、これほど長い間封印されてきた実力を、呼び覚ましてくれたこのチームへの思い。チーム関係者への感謝の言葉を語る頃には、両目が真っ赤に潤んでいた。

質問が続く中、ごく普通にレースのことを語りながらも、両目に涙があふれだし、何度もこぼれ落ちそうになるのをこらえようと顔をしかめ、懸命に言葉を選び続けたフィジコ。アロンソの3位を喜ぶ言葉を口にしてからようやく、その顔に一瞬自然な笑みが戻った。

他の2人の質疑応答に入ると、フィジコは目をうっすらと濡らしたまま、少し遠い目で、一人静かに思いをめぐらせ始めた。その思いは、本当にフィジコにしかわからないし、フィジコ自身にも何がなんだかわからなかったかもしれない。

開幕早々、突然舞い込んできたチャンスだった。これまでずっと劣るマシンで苦戦を強いられながらも、何度となく驚異的な速さと強さではいあがってきた、今までとまったく同じ自分がまったく同じやり方で今回も挑んだだけなのに、その先に開いた道は、こんなにも大きく開けていたなんて。あれほど動かなかった世界が、景色が、こんなにも大きく、急速に変わっていくなんて。

最後に2005年の見通しを聞かれたフィジコは、もはやほとんど泣き顔で、その思いを口にした。「今シーズンは本当に自信があるんだ。」



(以下、TV放映シーン)

Q:ジャンカルロ、前回優勝したときはこの瞬間を祝うことができませんでしたね。今回の優勝はあなたにとってまるっきり大違いでしょうね?

GF:イエス、自分にとって素晴らしい一日だった。ファンタスティックなレースだったよ。正直言ってかなりコンサバティブに走っていたんだ。一度も限界までプッシュすることがなかったけど、終盤だけだね、ルーベンスが追いついてきたときに、ちょっとだけ加速して、速めのラップタイムで走ったんだ。マシンは最高だった。バランスがすごくよかったし、タイヤは最初から最後まで変わらず安定していた。本当にいい状態で、僕のキャリアの中でも最高のスタートをきることができた。シーズン開幕戦で勝てるなんてすごい、本当に、本当にハッピーだよ。メカニックやルノーチームのみんなに感謝したい。

Q:タイヤの話ですが、今シーズンは新レギュレーションになりましたよね。あなたにとって、今日のようなラスト25周はどうでしたか?

GF:正直に言うと、レースの序盤はちょっとタイヤを大事にコンサバティブに行ったんだ。終盤はマシンの調子が本当にすごくよかった。実際、最後の4、5周にレース中の自己ファステストラップを出したほどだよ。それがよかったね。最初から最後までラクに行けた。それにハッピーなのは、フェルナンドの3位フィニッシュ。チームにとって素晴らしい結果になったよ。

Q:まったくおっしゃる通りです。最初のピットストップ直前にあなたの無線が聞こえたとき、何かステアリングのことを言っていたようですが、クリアではなかったので、あれは何だったのですか?

GF:ちょっとアンダーステア気味だったけど、レース中はオーバーステアよりもアンダーステア気味な方がいいから、エンジニアに「何もいじらないでくれ、このままで走れればハッピーだ」って伝えたんだ。

(他の2人の質疑応答を経て、再びフィジコへ)

Q:ジャンカルロ、まだかなり時期尚早ですが、今回は圧倒的な勝利でしたね。2005年はどんな感じになるでしょうか、あなたの見通しは?

GF:今シーズンは本当に自信があるんだ。確かにまだ開幕戦でしかないけど、すでに僕らにはファンタスティックなポテンシャルがあるし、そのポテンシャルは、1月にマシンを初めてドライブしたときから感じていたんだ。初めて数周走ったときからすでに速かったし、ドライブしやすかった。だから、これからはこの状態をもとに頑張っていくだけ。そして開発を続け、また勝てるように頑張るだけだね。

(以下、プレスカンファレンス)

Q:ジャンカルロ、お見事でしたね。ついにレース後に表彰台の最上段に上がることができて、本当に楽しめたようですね。

GF:イエス。そろそろこのときが来てもいい頃だったよ。表彰台の本当のポジションから自分の優勝を祝えることができて本当によかった! すごかったよ。ファンタスティックなレースだった。予想していたほどラクではなかったけどね。かなりコンサバティブに走っていたけど、ラスト5、6周でルーベンスに追い上げられてきたから、速めにドライブしたら、なかなかいいラップタイムで走れたし、マシンの調子も本当によかったし、最初から最後まで本当に安定していた。最高だよ、もう今シーズンこれからが楽しみだね。もちろんまだ開幕戦だから、先の話をするには早いけど、僕らのポテンシャルはものすごくいいんだ。

Q:終盤にルーベンスに追い上げられたときはどうでしたか?

GF:エンジニアから「もうちょっとプッシュしてくれ」って言われてプッシュしたら、問題発生、前方にマシンがいたんだ! まあ、すごくラクに走れてはいたんだ、25.9秒台は悪くないよね。だから、ラスト数周にちょっと心配だったのは、ジョーダンやミナルディに追いついてしまったこと。ちょっとナーバスになったけど、すぐにオーバーテイクして、最後まで走りきって優勝できたよ。

Q:レース中はどのくらいトラフィックの影響を受けましたか?

GF:かなりの影響を受けた。ヴィルヌーヴの後ろで2周もロスした。何であそこで止められたのかわからないよ。あれで4、5秒はロスしたね。本当にひどいことだよ、ちょっと失望したね。他のドライバーは全然OKだったけど、別のマシンの50m後ろにつけたときにダウンフォースを失うので、追いつくのが結構大変だったくらいかな。

(以下、フロアからの質問)

Q:(Livio Orrichio ・O Estado do Sao Paulo) フィジケラ、現実的に、この優勝で雨の重要性はどのくらい大きなものでしたか?

GF:現実的には相当大きいよね。金曜(FIA注:土曜の間違い)は本当にラッキーで、他のライバルたちに大きな差をつけることができたし、特に今朝の2回目の予選セッションでもそうだった。でもとにかく、それがなくても今朝は2位のタイムだったから、燃料搭載量を考えればよかったよ。でもポテンシャルは確かにある。僕らは速いから、金曜(FIA注:土曜の間違い)にちょっとラッキーじゃなかったとしても、いずれにしても優勝争いができる可能性はあったと思うよ。

Q:ジャンカルロにルーベンス。F1のタイヤに1番スムーズなドライバーと2番目にスムーズなドライバーの2人が揃いましたね。この点は今年のチャンピオンシップの鍵になるでしょうか?

RG:そう願うよ!(笑)
GF:同感!

RB:その質問に完全に答えるのは本当に難しいと思う。実際に、すべての影響を含めてちゃんとした予選ができなかったから、今朝はみんながかなりのクルージング状態だった。だから、マレーシアでならどうなるか、もう少し意見が出せると思う。もちろん、速く走れてタイヤもセーブできれば、大きなプラスになるだろうね。

GF:そうだね、多分ちょっとだけイエスだと思うよ。今日はドライバーみんなにとってもタイヤの消耗度がそれほど悪くなかったと思うんだ。タイヤに適温だったし。多分、本当に暑いサーキットや、路面の舗装が本当にザラザラなサーキットに行けば、タイヤの消耗がきっと問題になってくると思う。でも僕の場合はOKだよ。僕はすごくスムーズに走るから、その点は心配していないよ。

Q:(Anthony Rowlinson ・Autosport) ジャンカルロ、これほどいいマシンを得るまでに、ずいぶんと長い間待ちましたね。今シーズンは自分の才能を発揮できる可能性があって、エキサイティングな気分ですか?

GF:モチロン、そうだよ。人生で初めてのことなんだ、相当のポテンシャルを秘めたマシン、レースの最初から最後まで速くキッチリと走れたいいマシンをドライブするなんて。F1で10年やってきた後だけに、僕にとっては素晴らしいことだよ。これまでは決して才能を発揮することができなかったんだ、一度もいいマシンに乗れなかったからね。確かに2年前、ウェットコンディションのブラジルでは勝ったけど、あのレース以外、あのシーズンはずっと本当にフラストレーションがたまる思いだった。だから、今年こんなにいいマシンに乗れて、才能を発揮して何勝もできるチャンスを逃したくないんだ。

Q:(Ken Cavanagh ・Triple M) 今回の優勝はどのくらい違いますか、ついにその日のうちにシャンパンシャワーを浴びることができた気持ちは?

GF:まったく違うね、うん。だって正直言って、今回初めて表彰台の上で優勝を祝うことができたんだから。ファンタスティックなひとときだった。素晴らしい経験だったよ。またこの経験をしたいね。

Q:(Ottavio Daviddi ・Tuttosport) ジャンカルロ、金曜に「今回は勝てるレースだ」とご自分で言った通りに今日勝ちましたね。私の質問は−−1レースだけでなく、チャンピオンシップでも、あなたは戦えるでしょうか、ルノーは戦えるでしょうか?

GF:そう思う、きっとそうだと思う、うん。冬のテストのときにすでにうちの速さは明らかだった。今日も、どれだけ僕らが速いかはっきりさせることができた。もっと前進するだけのポテンシャルがまだ十分にあるから、マクラーレンやフェラーリと並んでチャンピオンシップ争いをするチームになると思うよ。

Q:(Andrea Cremonesi ・La Gazzetta dello Sport) みなさんにお聞きしたいのですが、今年の新ルールではグリッド後方から上位進出することは困難かどうか? 今日はミハエル(シューマッハ)が動きの取れないポジションにいたり、キミ・ライコネンですらそうでしたよね。それから、マクラーレンについてはどう思いますか? というのも、マクラーレンにはよくない感じをみんなが受けたと思うのですが。みなさんと同様、今回のレースの本命だったのに、このウィークエンド中ずっと目立たなかったですよね。

GF:わからないな、彼(フェルナンド)に聞いてみたら? 後ろから上がってきたんだから。

FA:去年と変わりなかったよ。でも今回のレースはちょっと違った展開で、誰にも問題がなく、リタイヤもなく、アクシデントもなかったし、コースオフもなかったから、セイフティカーも出なくて、すべてがごく普通の展開になった。こういう状況では、オーバーテイクが難しいし、ポジションを上げるのも難しい。あと、2つ目の質問、マクラーレンのことだよね。僕らにはわからない。自分のチームのために頑張っているんだから、他のチームの状態は僕らにはわからないよ。強いとは思う、大事なものを争うことはできるだろうけど、今回のレースで僕らがうぬぼれることはないよ。金曜(FIA注:土曜の間違い)だって多分、ちょうど大雨のときにジャンカルロも僕もアタックする羽目になっていたら、グリッド後方に混じることになって、きっとポイント圏内ですらフィニッシュできなかっただろうね、今日のミハエルやキミみたいに。とにかく、うちのマシンは今週末の最速のマシンだったから、15日後にまたチェックするしかないね。

Q:(Australian ) ジャンカルロ、地元イタリアの人々は、あなたが今日のような結果を出し続けることになったら、フェラーリを倒すイタリア人ドライバーをどのように思うでしょうか?

GF:何よりまず、今はまだ開幕戦だから、僕らが勝ち続けるかどうかの話をするには早過ぎるよ。もちろんフェラーリは偉大なチームだし、世界中どこでも最大のファンがいる、特にイタリアにはね。でも僕はイタリア人なんだ。僕が優勝すれば、イタリアのファンだってハッピーになるに違いないよ。

Q:(Anthony Rowlinson ・Autosport) ルノードライバーのお2人にお聞きします。ルノーのマシンは間違いなくかなり特別なマシンですね。これほどすぐれたパフォーマンスがどういう所で得られているのか、ちょっと教えてもらえませんか?

FA:僕らにはわからないよ。僕らはただ、一線を越えて速いラップタイムを出しているだけ。まだドライブしづらいけれど、どんどんプッシュしなければならないんだ。でもキッチリと速いことは確かだね。

GF:パッケージ全体が本当にいいと思う、エンジン、シャシー、タイヤ、すべてがね。僕らドライバーにとってありがたいことは、レースの最初から最後まで極めて一貫したパフォーマンスを維持するマシンに乗れることなんだ。バランスも今日は本当にすごくよかったけど、テストでもよかった。それが僕らの速さの最大の理由だね。


_ 「忘れられない一日」−フィジコ、オーストラリアGP優勝と今シーズンの野望を語る

優勝後の一連のイベントをこなした後、フィジコはルノーチームのインタビューに答えて、今回の優勝と今シーズンの野望について語った。

Q:ジャンカルロ、2勝目とはいえ、ポディウムにウィナーとして上がるのは今回が初めてですね...

GF:そうだね。今日は僕にとって忘れられない1日になったよ。エキサイティングなレースだった。シーズン開幕戦で勝って、イタリアの国歌と国旗と共にポディウムに上がって、シャンパンファイトができるなんて最高の気分だよ。今日のことはすべて僕の記憶に刻み込まれた。10年間待ったんだ、F1でこんなマシンに乗れる日を。このチャンスを逃したくないね。

Q:ご自分のレースを振り返ってまとめてもらえますか?

GF:かなりリラックスしていたし、限界までプッシュしなくても後続とのギャップをコントロールできていた。終盤、バリチェッロに追い上げられてきたときは、少しスピードを上げたけど、それだけだったね。マシンバランスがよかったし、タイヤもレースの最初から最後まで一貫したパフォーマンスだった。一時、アンダーステア気味になったけど、深刻なものではなかったよ。ピットストップでもセットアップを変えないことに決めたんだ。この新ルールだと、オーバーステアよりはアンダーステアの方がいいからね。

Q:ルーベンス・バリチェッロが一時追いつきそうになりましたね...

GF:エンジニアから、フェラーリが追い上げてきてるって言われて、ペースを上げたんだ。それだけの余力はマシンに残っていたから、そのパフォーマンスをもうちょっとだけ発揮したら、ギャップを広げることができた。

Q:タイヤにはまったく問題はなかったのですか?

GF:なかったね。レース序盤はタイヤにすごく気をつけていったんだ。終盤になってもまだマシンはすごく速かった−−そのときに自己ファステストラップを出したんだ。

Q:今回の優勝では幸運の女神にも感謝する必要がありそうですか?

GF:土曜の午後の雨は確かにラッキーだったし、おかげで2回目の予選までに大きなリードができてポールが取れた。でも、日曜の予選だけのタイムでは2位だったし、満タンでそれだけのタイムを出せたんだから、いいパフォーマンスだったよ。何があったとしても、今週末、僕らはすごくコンペティティブになっていただろうね。

Q:今回の優勝は、チャンピオンシップに関してどのような意味がありますか?

GF:気持ちとしてはすごく自信があるよ。確かにまだシーズンの開幕戦でしかないけど、僕らには相当なポテンシャルがある。1月にR25に乗ったとき、すぐにわかったよ。1周だけでも、レース距離を通じても速いから、これから開発を推し進めていく必要がある。チャンピオンシップ争いの対象は、フェラーリ、マクラーレン、そしてルノーに絞られてくると思うよ。


_ 決勝ファステストラップ

「終盤に一度だけちょっと加速」して出た自己ファステストが2位のタイムだったフィジコ。トップタイムは、後方スタートのアロンソ。激しいバトルの末、上位進出の過程でいつのまにかたたき出していた。やはりこのルノーの速さはホンモノだ。
Australian GP : Fastest laps in the race
1. Fernando Alonso (Renault) ・1・5.683 ・lap 24
2. Giancarlo Fisichella (Renault) ・1・5.994 ・lap 55
3. Rubens Barrichello (Ferrari) ・1・6.233 ・lap 54
4. Kimi Raikkonen (McLaren Mercedes) ・1・6.255 ・lap 55
5. Jenson Button (BAR Honda) ・1・6.260 ・lap 55
6. Michael Schumacher (Ferrari) ・1・6.261 ・lap 38
7. Juan Pablo Montoya (McLaren Mercedes) ・1・6.393 ・lap 41
8. Mark Webber (Williams BMW) ・1・6.493 ・lap 37
9. Ralf Schumacher (Toyota) ・1・6.536 ・lap 56
10. Christian Klien (Red Bull Cosworth) ・1・6.627 ・lap 39
11. David Coulthard (Red Bull Cosworth) ・1・6.690 ・lap 40
12. Nick Heidfeld (Williams BMW) ・1・6.854 ・lap 38
13. Felipe Massa (Sauber Petronas) ・1・6.893 ・lap 55
14. Jarno Trulli (Toyota) ・1・7.116 ・lap 56
15. Jacques Villeneuve (Sauber Petronas) ・1・7.745 ・lap 54
16. Takuma Sato (BAR Honda) ・1・7.877 ・lap 36
17. Narain Karthikeyan (Jordan Toyota) ・1・7.970 ・lap 36
18. Tiago Monteiro (Jordan Toyota) ・1・8.999 ・lap 16
19. Patrick Friesacher (Minardi Cosworth) ・1・2.852- lap 22
20. Christijan Albers (Minardi Cosworth) ・1・3.144 ・lap 11

_ フィジコ、優勝の夜は

優勝イベントラッシュが落ち着き、夜も更けたメルボルンの街を背景に、フィジコがマイクを持って優勝を振り返るビデオが、ルノーチームHPにて公開されている。

まず、ルノーだけにフランス語でご挨拶。
「シーズン開幕を優勝でスタートすることができてものすごく満足している。」
そしてホテルの部屋で、自ら「アン、ドゥ、トロワ!」の掛け声でシャンパンの栓を抜き、ごく身近な関係者と乾杯するシーンも。

「ファンタスティックだったよ。ポールポジションからスタートして、レースを最初から最後までトップで走れて、思い通りにイージーに行けた。1コーナーをトップで抜けた後はすごくコンサバティブにドライブして、タイヤもエンジンも大事にしながら行ったけど、カーバランスがファンタスティックで、そのまま最後までキープするだけだった。」

またレース中は、速く走ることにすごく集中すると同時に、タイヤをいたわるようにも集中したという。
「僕らの速さは十分だから、これからの数戦でも可能性があると思う。」

また、次のマレーシアGPへの自信も語った。
「ここ数年、ルノーはセパンでいつも速いし、サーキットの特性がマシンにピッタリ合っていると思うから、本当に自信があるんだ。今日みたいな結果が再現できたらファンタスティックだね。今度もまた優勝争いをしたい、きっとできると思うよ。」

やがてパーティ会場に車で移動したフィジコは、カジュアルなパーカーの普段着で会場に現れた。サーキットから離れて、やっと気が緩んだチーム関係者たちや、同じく普段着に戻ったアロンソ、マネージャーや様々な関係者たちに温かく迎えられ、フィジコはたくさんの祝福やハグを受けまくった。

大賑わいの会場で、最後にステージに飛び乗ったフィジコは、拍手喝采を浴びながら、マイクで短く挨拶した。
「ありがとう。みんなのサポートに感謝しています。みんなのおかげで今日勝つことができてよかった、自分のためにも、ここにいるみなさんのためにも、ルノーのみなさんのためにも。これからもこの調子で頑張ります。今日は本当にどうもありがとう、本当にファンタスティックな一日だった。」

そして、照れたように首をかしげて肩をすくませると、最後に付け加えた。「ありがとう!」

「みんなのためにありがとう、ジャンカルロ。I love YOU!!」会場のアナウンスに、集まったすべての人々から一層大きな大歓声が上がり、拍手が鳴り止むことはなかった。



ファンクラブ事務局 Last revised March 14 2005
Copyright Official Giancarlo Fisichella Fan Club of Japan 1998-2005 all rights reserved